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監査の客観性、公平性

前回の論考で、監査は客観的に公平なものでなければならない、と述べました。

監査の客観性、公平性は、どのようにすれば確保できるのでしょうか。また、監査の客観性、公平性を確保するために、どのような工夫をするのでしょうか。

一つは、監査チェックリストの活用です。
監査項目は、監査人が恣意的に決めたり、思い付きで決めたりするものではなく、あらかじめ、確認ポイントを決めておく。

特に重要なのが、その状況を判断するときに、どのような状態であれば適合(監査基準に合致している)であり、どのような状態であれば適合といえない(監査基準と一致しない、違反している)か決めておくことです。

もちろん、状況は複雑で、判定に困る悩ましい状況もでてくるでしょう。そのような場合の対処方法、報告の仕方を決めておくのです。

監査は、問題解決や改善提案をすることを目的としていますが、監査の役割は、解決の糸口やヒントを見つけることです。
問題解決や改善提案は、次のステップですので混同しないようにしてください。

2つ目は、公平な判断をすることのできる監査員を育成することです。公平な判断というのは、監査基準のとおりに判定することであり、チェックリストがちゃんとできていれば、そう難しいことではありません。

監査人に割り当てられた領域(部門や業務分野)での判定を、監査基準に従って判定します。

しかしなから、判断基準がしめされていたとしても、公平な判断ができない場面がでてきます。
監査人が、その分野のエキスパートでない場合、チェックリストの要件を正しく理解できず、正しい判定ができない場合が出てきます。逆に、その分野に経験のある監査人の場合、詳しすぎて厳しい判定をしてしまう傾向にあります。

意見のバラツキが出た場合には、すべての意見を記述します。
後で、監査人が集まり、最終的には、監査のリーダーまたは監査責任者がどのように扱うかを決めます。
そのような監査の手順を決めておくのが一般的です。  

監査チェックリストは、単なるチェックをするためでなく、判断を容易にできるよう、また監査手順のなかで不具合な点は改善し、次回の監査ではスムーズに処理できるよう工夫します。

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